26
それから俺は、火曜日には凛と逢うようになった。
もちろん、毎週逢えるわけではないが……。
凛と逢う時間は、俺にとって幸せな時間だった。
だけど……。
凛は、彼氏と別れるつもりはないようだった。
俺にとって、それは都合の良い事だった。
最初は、そう思っていた。
だけど……。
俺の凛への気持ちが高まれば高まるほど、その現実が俺にブレーキをかける。
凛を、俺のものだけにしたい……。
そう思えば思うほど、俺は臆病になっていた。
そして俺は、欲張りな男だ。
茜のことも大切だった。
茜を失いたくは、なかった。
そして俺は、凛のことを本当に信じることが出来なかった。
彼氏がいるのに、俺と愛しあう。
それって、どういうことなのだろう……。
俺は自分のことは棚に上げて、そんなことを考えていた。
きっと俺は、凛にとっての一番ではないんだ……。
そんなことは、最初から分かっていたはずなのに……。
凛への想いが高まるほどに、俺は不安になる。
そして、俺が凛にとっての一番になれるという自信も少しずつ揺らいで行った。
それでも俺は、火曜日に凛と逢う。
不安な気持ちと、安らぎを同時に感じながら……。