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そうか……正直な子なんだな……。
俺は、嬉しさとともに少しだけ迷っていた。
状況としては、最高に嬉しいはずなのに……。
俺は正直、少しだけ躊躇していた。
女のほうから誘ってくることは、まぁたまにあることだ。
そして、もしも相手の女のことがイヤじゃなければ俺は、その女を抱く……。
これだけ可愛い凛が、その気になっているのに……。
俺は、それを躊躇してしまっていた。
女を抱くということは、男にとって本能のようなものだ。
チャンスがあれば、行く。
据膳食わぬは、男の恥とも言うし……。
だけど、何も考えないでそうするのは若いうちだけだ。
それは、慎重になるというのか……どうなのかは知らないが……。
リスクは犯したくない、というふうに考えるようになるのだ。
だから、単純に女から迫られると何かの危機感を感じてしまう。
本当は、そうじゃないとしてもだ。
何かが、おかしい……そう感じるものだ。
だから俺は、凛に訊いたんだ。
「なぁ、凛……俺が欲しいの?」
凛は、その大きな瞳を潤ませながら何も言わずに頷いた。
俺は右手で、凛のサラサラの髪を優しく撫でる。
指先に触れた柔らかい耳たぶの感触が、俺を狂わせ始めていた。
「じゃあ……行こうか、凛……」
そのとき凛は、嬉しそうに瞳を輝かせていた。