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焼肉を食べながら、凛といろいろな話をした。



そして俺は、少しずつ凛のことが分かって来た。



凛は、下北沢で一人暮らしをしていること。



そして、遠距離恋愛の彼氏が居ること。



そりゃ、そうだよな……。


こんなに可愛い子に彼氏が居ない訳がない。



でも、それは逆に俺にとっては好都合だった。



俺は、まだ誰かに縛られたくはなかった。



もしも凛が、俺を愛してくれるなら……。


そして俺が、琴音以上に凛を愛せると思えるならば……。



俺は、その彼氏から凛を奪えば良いだけの話だ。



凛は見た目とは違って、結構サバサバしている。


そして、かなり自分の欲望に正直だった。



「初めてのデートで焼肉って、変かな?」



俺が、そう冗談めかして言うと凛はこう応えた。



「そうね、焼肉を一緒に食べる関係って……だもんね!」



凛は、そう言ってケラケラと笑った。



凛が、じっと俺の目を見つめていた。


俺は、その視線にワザと気づかないフリをした。



そして凛が、ゆっくりと口を開く。



「ねぇ……明日、わたしお休みだよ……」



そう言って凛は、艶やかに微笑む。



なるほど、正直な子だな……。



そして俺は、苦笑いしながら凛に言ったんだ。



「俺は仕事だよ、凛……でも……」