15
「うわっ……」
俺は無意識のうちに、そんな声を漏らしていた。
それほどに、凛は美しかった。
「落ちましたよ、バッグ……」
「あ……すいません……」
俺は、凛に見とれながらそう言った。
凛は、クスッと笑いながら俺に微笑みかける。
俺は、両手で自分の頬をパシパシ叩きながら言った。
「ありがとうございます! すいませんね!」
「いえいえ! もしかして、徹夜明けですか?」
「そうなんですよ……もしかして、あなたも?」
「はい! そうですよ!」
「そうかぁ……でも、元気ですね!」
「うふふ! 元気ですよ!」
凛は、そう言ってとても素敵な笑顔を見せた。
凛は、俺の座っている向かいの席に腰掛けた。
俺は、ついつい凛をじっと見つめていた。
凛と俺の視線がぶつかる。
凛は、なぜか楽しそうに笑っていた。
しかし、いい女だな……。
俺は、そう思いながら目を閉じた。
しばらくして目を開けると、凛も眠っていた。
凛の寝顔は、とても可愛い。
さっきまでの少しクールな表情とは変わって、少し幼く見えた。
俺は、考えていた。
このまま彼女を行かせてしまうのは、惜しい……。
いつもはそんなことなんて考えない俺だったが、そのときはそう感じていたんだ。