第2章 火曜日の女「凛」



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茜とは、毎週逢えるわけではない。



茜自身も勉強やバイトが忙しいし、俺だっていつも暇という訳ではない。


茜に逢うのは、いつの間にか月曜日と決まっていた。



最初の頃は毎週月曜日に茜の部屋を訪れていた。


しかし、そのうち月に2回ほどのペースで落ち着いた。



あまり頻繁に逢うというのもな……。



それに俺は、茜を琴音以上には愛せないと気づいてしまった。


もしも茜を琴音以上に愛することが出来たのなら、俺は毎日茜に逢いたいと思うのだろう。



しかし、そうではなかったのだ。




そして、ある火曜日。


俺は、凛という女に出逢った。



その日、俺は徹夜明けの電車に揺られていた。



疲れた……。



さすがに、昔のように徹夜をしても平気ではない。



始発近くの電車は、ガラガラだった。


そして、疲れた俺には電車のノイズが心地良かった。



電車の席に座った俺は、ゆっくりと目を閉じる。


TUMIのバッグを膝の上に載せて、いつの間にかウトウトしていた。



俺は、夢を見ていた。



理由も分からないままに告げられた別れの言葉……。


どうしてなんだ、琴音……。


そう叫ぼうとした俺は、声が出ないことに気づく。


待ってくれ!


どこにも行かないでくれ!



そのとき、俺の肩を揺する腕に俺は起こされた。



目を開けると、そこには見たことも綺麗な女が立っていた。