13
その夜、俺は茜を抱いた。
初めてではなかったが、茜はあまり経験がなさそうだった。
そういう女を育てるのが、俺は嫌いではない。
茜は、俺に従順だった。
俺の望むことに、可能な限り応えようとする。
そんな姿が、可愛くもあり……でも、俺には少し物足りなかった。
それは、贅沢な悩みだと良く分かっていた。
茜を抱きながら、俺は琴音のことを思い出している。
本当のことを言えば、そんな自分が嫌だった。
俺は、どんな女であろうとも琴音と比べてしまう。
それは、どうしようもない事実だった。
茜を愛していない訳ではない。
それも、俺は自分自身で良く分かっていた。
だけど……。
月曜日は、早めに仕事を終えて茜の部屋に行く。
そして茜の作った手料理を食べて、茜を抱く。
茜と朝まで過ごすことは、ほとんどない。
終電近くまでは一緒にいるが、いつも俺は自分の部屋に帰った。
それが、俺の月曜日の過ごし方となっていた。
俺は、茜だけを愛そうと思った。
だけど……。
俺は、茜を琴音以上に愛せる自信がなかったのだ。
茜が、愛しい。
茜を、失いたくはない。
だけど、俺は……。