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それから俺と茜は、ビルの52階にあるレストランで食事を取った。



「茜のこと、色々と知りたいな……」



そう言いながら俺は、茜の瞳をじっと見つめた。


茜は恥ずかしそうに、それでも俺の目を見つめ返す。



俺は茜のことをいろいろと聞き出していた。


茜は東京出身だが、二十歳になって一人暮らしを始めたと言う。



「どこに住んでるの、茜……」


「えっと……初台……」


「へぇ、良いとこに住んでるんだね?」


「うん……実家と割と近い場所にマンションを借りたの」


「ふーん、そうなんだ……どんな部屋なのか、一度見に行きたいな」



そのとき茜は困ったような嬉しいような、そんな表情を見せた。



イタリアンの食事を終えた俺と茜は、またエレベーターに乗った。


茜は、また俺の横顔をじっと見つめている。



俺は左腕のTUDOR PRINCEを見る。


ピンクゴールドとステンレスのコンビの古い時計だ。



針は、午後8時を回っていた。


さて、これからどうしようか……。



俺は、優しく茜を引き寄せて耳元で囁く。



「今夜、茜と一緒に居たいんだ……お前は、どう?」



茜は顔を真っ赤にしながら、また俺の目をじっと見つめた。



そして、ゆっくりと頷きながら小さな声で俺に言ったんだ。



「……わたしも……智樹さんと一緒に居たい……」



かわいい子だな、茜は……。



俺は、ギュッと力を込めて茜を抱き締める。



小刻みに震える茜が、とても愛しく思えた。