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ふぅ、と大きく息をひとつ吐いて俺は目を閉じる。
そのとき俺は、確信していたんだ。
きっと、また茜に逢えるんだって……。
でも、茜は現れなかった。
まぁ、いいか……。
俺は、苦笑いしながら茜のことを想った。
もしも、運命というものがあるとすれば……。
俺は、また必ず茜に逢える。
でも……運命は、自分で切り拓くものなんだ。
行動を起こさなければ、何も起こらない。
行動を起こそうという意志こそが、運命を連れてくるんだから。
そして、もしももう二度と茜に逢えなかったとしたら……。
それは、それで仕方がない。
それも、運命ってヤツさ……。
ラクーアを離れた俺は、水道橋の駅から電車に乗る。
きっと、またあの場所で茜に逢えるんだ……。
そのとき俺は、そう信じていた。
新宿駅で電車を下りた俺は、西口をフラフラ歩く。
今日は会社に帰ってもやることないし、ヨドバシでも覗くか……。
ソフマップをチラッと見て、狭い路地を歩く。
「智樹……さん?」
突然、後ろから掛けられた声に俺は反射的に振り向く。
だって、それは忘れもしない……茜の声だったからだ。
嬉しそうに駆け寄る茜を、俺はギュッと抱き締めていた。
きっと、これも運命なんだと思いながら……。