琴音と出逢ったのは、あるパーティーでのことだった。



仕事に追われる毎日の中で、フッと気を休めることが出来る。


そんな唯一の時間が、不定期に行われる異業種交流会と言う名のパーティーだった。



異業種交流会とは名ばかりで、大っぴらに女に声を掛けることが出来る。


それが、そんなパーティーの最大の魅力だった。



もちろん、ある程度は紳士的な集まりなので基本的には和やかにパーティーは進む。



名刺交換をして、自分の自己PRを自然な会話の中からする。


その事自体も、実は小心者の俺には良いトレーニングになっていた。



街でナンパをしたこともないし、そんな気にもならない。


それが、俺の本質的な性格だ。



とはいえ女とは話したいし、もちろん仲良くもなりたい。


そして、うまく行けば……。


そんなスケベ心も、もちろんある。


それが、正常な男というものだ。



そんなパーティーに何回も顔を出していると、自然と仲間が出来て行く。


そうなると、男女の感情というよりも気楽に話が出来るようになる。



どうでも良いような話を、時間の許す限り笑いながら話す。


そんな時間が、俺には心地良かった。



まぁ、そうなれば……さっきまでのようなスケベ心も消えてしまうのだが。


仲間内で、そんな関係になるというのも気が引けるし、な……。



俺は、ずっとそんな風に考えていたんだ。



でも、ある日……突然現れた琴音に、俺は目を奪われた。



抱きしめれば折れそうなほどの細い腰に、切れ長の目。


珍しい真っ黒い髪が、サラサラと艶やかに輝いていた。


質の良さそうな黒いスーツに、これまた質の良さそうなエナメルのピンヒール。


身長は……約160cm。


スタイルも、肌の色も俺の好みにピッタリだ。



俺は琴音の姿を見た瞬間に、琴音が欲しくて堪らなくなったんだ。