2
琴音と出逢ったのは、あるパーティーでのことだった。
仕事に追われる毎日の中で、フッと気を休めることが出来る。
そんな唯一の時間が、不定期に行われる異業種交流会と言う名のパーティーだった。
異業種交流会とは名ばかりで、大っぴらに女に声を掛けることが出来る。
それが、そんなパーティーの最大の魅力だった。
もちろん、ある程度は紳士的な集まりなので基本的には和やかにパーティーは進む。
名刺交換をして、自分の自己PRを自然な会話の中からする。
その事自体も、実は小心者の俺には良いトレーニングになっていた。
街でナンパをしたこともないし、そんな気にもならない。
それが、俺の本質的な性格だ。
とはいえ女とは話したいし、もちろん仲良くもなりたい。
そして、うまく行けば……。
そんなスケベ心も、もちろんある。
それが、正常な男というものだ。
そんなパーティーに何回も顔を出していると、自然と仲間が出来て行く。
そうなると、男女の感情というよりも気楽に話が出来るようになる。
どうでも良いような話を、時間の許す限り笑いながら話す。
そんな時間が、俺には心地良かった。
まぁ、そうなれば……さっきまでのようなスケベ心も消えてしまうのだが。
仲間内で、そんな関係になるというのも気が引けるし、な……。
俺は、ずっとそんな風に考えていたんだ。
でも、ある日……突然現れた琴音に、俺は目を奪われた。
抱きしめれば折れそうなほどの細い腰に、切れ長の目。
珍しい真っ黒い髪が、サラサラと艶やかに輝いていた。
質の良さそうな黒いスーツに、これまた質の良さそうなエナメルのピンヒール。
身長は……約160cm。
スタイルも、肌の色も俺の好みにピッタリだ。
俺は琴音の姿を見た瞬間に、琴音が欲しくて堪らなくなったんだ。