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東京に帰ってから、俺はサイト経由で玲子にメールを送った。




玲子……お誕生日おめでとう、そしてメリークリスマス!


俺は23日に神戸に行ったんだよ。


玲子に逢いたかった。


俺は……いつの間にか玲子を愛していた。


ちゃんと逢えなくてゴメン……プレゼントをあげるって約束したのに……。


俺は玲子に、また逢えると信じてる。


ずっと玲子のことを大切にしたいって想ってるから……。




玲子に逢いに行くこと……そして玲子に俺の気持ちをちゃんと伝えること……。


それが、俺の玲子へのプレゼントだと勝手に思っていた。


でも……俺は、玲子に逢えなかった。



玲子からの連絡は、24日の夜になってもない。


やっぱり、こんなものなのか……。



仕事を終えて、自宅に向かう。


思いのほか暖かいクリスマスイブだ。


それがやけに、俺には皮肉に思えた。



地下鉄大江戸線のホームで電車を待つ。


もうすぐ24日も終わってしまう……。



そのとき突然、俺のケータイが振動を始めた。


知らない番号だ……まさか!



「もしもし……玲子!?」


「ごめんね……あたし、あなたにプレゼントがあるの……」


「えっ? あっ! 誕生日おめでとう! あと、メリークリスマス……」



突然の玲子からの電話に、俺は動揺していた。


でも、俺は……すごく嬉しかったんだ!



「今ね……品川駅……あなたに逢いたくて……来ちゃった!」



玲子の言葉に、俺の胸はガラにもなくドキドキしていた。



ホームに滑り込んできた電車がサーッと風を巻き起こす。


そんな風を感じながら、俺は玲子への愛を再確認していたんだ。



「すぐに行くから! 改札で待っててくれ!」



そう言いながら俺は、電車に飛び乗ったんだ。




エピローグ


品川駅の新幹線の改札を出たところで、俺は玲子を見つけた。


顔も知らなかったはずなのに、すぐに玲子だと分かった。



俺はゆっくりと玲子の前に立って、ギュッと玲子を抱きしめた。



「プレゼント……ありがとう! あなたに、ずっと逢いたかった……」



玲子は、そう言って恥ずかしそうに笑った。



「神戸を、ね……離れていたの……せっかく来てくれたのに……ごめんなさい……」


「いいんだ……ゴメン……俺は……玲子にプレゼントを貰っちゃったね……」


「あたしだって貰ったよ……あなたの気持ちが……すごく嬉しかった……」



俺は玲子の瞳を、じっと見つめる。


玲子は、そんな俺の目を優しく見つめ返す。



そのとき、俺たちの現実は……。


本物の現実になったんだ。



俺は、玲子の長い髪を優しく撫でる。



少し涙ぐんだ玲子の瞳が、俺自身をしっかりと見据えていた。



もう、お互いに独りじゃない……。


俺たちは、ちゃんと出逢うことが出来たんだ。



言葉を交わさなくても、俺たちはお互いにそう感じてていた。



そう……初めてのクリスマスイブに……。



俺は、優しく玲子の唇を奪う。



そのとき玲子は……俺の腰に回した手に、ゆっくりと力を込めたんだ……。




Happy Merry X'mas! & Happy Birthday!




『First X'mas Eve(ファーストクリスマスイヴ)』





2009.12.24 CopyRight by Hiroto Izumi