12


翌朝早くに、バスは神戸に着いた。


俺は朝早くから開いていた三宮のカフェで玲子からの連絡を待つ。



しかし、いつまで経っても玲子からの連絡はない。


玲子がどんな仕事をしているのか、どこにいるのか……。


そんなことを、俺は何も知らなかった。



だって玲子はいつものように夜現れて、当たり前のように話をする……。


それがずっと続くと、俺は安心しきっていたのだ。



でも……。


信用しても、裏切られる……。


俺は、そんなことは良く分かっていたはずだ。



でも……。


玲子は違う……そう、俺は信じたかったんだ。



カフェを出た俺は、ピアザ神戸をのんびりと歩く。



玲子は、必ず連絡をくれる……。


それでも俺は、そう信じていた。



重ねた言葉と時間は、嘘じゃない。


たとえ、それがネットの上のバーチャルな関係だとしても……。


俺と玲子の思いは、間違いなく現実だったはずだ。



俺は地下鉄に乗って、みなと元町で下りる。


メリケンパークを目指してフラフラと歩く。


ポートタワーに着いた俺は、600円を払って展望台に上った。



夕暮れの海を見ながら、俺は考えていた。


玲子には、もう逢えないのかもしれないって……。



いつの間にか、夕闇が辺りを包み始めていた。


玲子からの連絡は、ない……。



結局、俺は玲子に逢えずに東京へと戻った。


最終の新幹線で、俺は考えていた。



バカみたいだよな、俺……。


そう苦笑いしながら、心はとても寒かった。