11


あれっ……どうしたんだろう……?


最初は、ただそんな風にしか思わなかった。



次の日も、玲子は現れなかった。


おかしい……。



俺は、不安になっていた。


玲子が何も言わずに消えるはずがない……。



玲子に何かが起こっているのだろうか……?



俺はパソコンの液晶画面を見つめたまま、途方に暮れていた。



そのとき、突然俺のケータイに電話が掛かって来た。


んっ?


会社から、か……。



「もしもし……! うん、分かった! 了解!」



その電話は、明日の打ち合わせと視察がキャンセルになったという連絡だった。


明日は、23日……天皇誕生日、か……。



俺は、そのとき決意していた。


俺は、神戸に行く……。



俺が知っていることといえば、玲子が神戸に住んでいることだけだった。


神戸のどこに居るのかも知らないし、ケータイの番号もメールも知らない。



俺と玲子を繋いでいるのは、そのサイトだけだった。



でも俺は、神戸に行く……。


そう決めた!



俺は玲子にサイト経由でメールを送る。


今まで敢えて知らせなかった俺のケータイ番号とメールアドレスを書く。


そして、俺が明日の23日に神戸に行くことも……。



俺は、すぐに準備をして新宿駅へと向かった。


神戸に向かう高速夜行バスに、まだ間に合う時間だった。



玲子は、必ず俺に連絡をくれる……。


そのとき俺は、そう信じていた。