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あれっ……どうしたんだろう……?
最初は、ただそんな風にしか思わなかった。
次の日も、玲子は現れなかった。
おかしい……。
俺は、不安になっていた。
玲子が何も言わずに消えるはずがない……。
玲子に何かが起こっているのだろうか……?
俺はパソコンの液晶画面を見つめたまま、途方に暮れていた。
そのとき、突然俺のケータイに電話が掛かって来た。
んっ?
会社から、か……。
「もしもし……! うん、分かった! 了解!」
その電話は、明日の打ち合わせと視察がキャンセルになったという連絡だった。
明日は、23日……天皇誕生日、か……。
俺は、そのとき決意していた。
俺は、神戸に行く……。
俺が知っていることといえば、玲子が神戸に住んでいることだけだった。
神戸のどこに居るのかも知らないし、ケータイの番号もメールも知らない。
俺と玲子を繋いでいるのは、そのサイトだけだった。
でも俺は、神戸に行く……。
そう決めた!
俺は玲子にサイト経由でメールを送る。
今まで敢えて知らせなかった俺のケータイ番号とメールアドレスを書く。
そして、俺が明日の23日に神戸に行くことも……。
俺は、すぐに準備をして新宿駅へと向かった。
神戸に向かう高速夜行バスに、まだ間に合う時間だった。
玲子は、必ず俺に連絡をくれる……。
そのとき俺は、そう信じていた。