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俺は、そのとき本当に嬉しかった。
実際に逢っていなくたって、その人柄はすぐに分かる。
言葉を交わすことで、相手がどんな人なのか……。
それは、もしかしたら実際に逢って話すよりも良く分かるものかもしれない。
それから俺は、玲子と長い時間話をした。
最初はホンの暇つぶしだった。
でも、玲子の様子に俺は何か気になるものを感じていたんだ。
そして交わす言葉を重ねるうちに、俺は玲子に親しみを感じた。
当たり前のように玲子に逢えると思った……。
でも、玲子は俺の前から消えた。
そして今、玲子は俺の前に戻ってきた。
俺はきっと、玲子に感じていたのかもしれない。
それは、俺と同じ哀しさと寂しさを……。
玲子の哀しさは伝染して、俺の心に染み込んだ。
それは……。
わざと気にしないように、気にも留めないようにしていた俺自身の心……。
その寂しさを、俺は素直に自覚してしまったのだ。
玲子と言葉を重ねるほどに、俺の心はピュアになっていく。
それは、俺が今までに感じたこともない不思議な感覚だった。
それから玲子と毎晩待ち合わせをした。
寝るまでの少しの時間を、ただどうでもいい話をして過ごした。
「そういえば、玲子の誕生日っていつなの?」
俺は何の気なしに玲子に、そう訊く。
「誕生日は……12月24日だよ!」
「へぇ、イブなんだね……いつもクリスマスと誕生日のお祝い一緒だったでしょ?」
「そうなの! 何かひとつ損したみたいで、いつも残念に思ってたの……」