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「……重なりは、ひとつになる……繋ぎ止める、ために……」



ユウナは、そんな言葉を残して逝った。


俺はユウナの、そんな言葉の意味を真剣に考えていた。



ユウナは、人の死期が分かるだけではなかった。


その能力だけではなく、未来が見えていたのだ……。



「……重なりは、ひとつになる……繋ぎ止める、ために……」



それは、カレンとカノンのことを言っていたに違いない。


あの時点からしたら未来の……俺が直面している現実。


それをユウナは見通していたんだ……。



残されたカノンは、カレンとひとつになった。


つまり、重なりはひとつになった訳だ。



そして「繋ぎ止める、ために……」か……。


その意味は、何なんだろう?


俺は、その意味をずっと考えていた。



そんな俺の様子を、エリは優しく見守ってくれていた。


俺は、フッとエリに笑い掛ける。



「エリ、君は……ずっと俺のことを見守っていてくれたのか?」


「……そう。それがあたしがお姉ちゃんにしてあげられることだったから……」


「そう、か……ありがとう、エリ……」



偶然現れたエリは、きっとこのタイミングを待っていたのかもしれない。


俺にとって、人生における重要なポイント……。



そのとき俺は、ユウナが言いたかったことが少しだけ分かった気がした。



カレンと、カノンは……。


お互いを求め合っていたからこそ、ふたりはひとつになってしまったのだ……。



そして、繋ぎ止めるために……。



それはきっと、ユウナが望んだ俺の未来……。



俺の生きる道筋を繋ぎ止めるために……。