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俺は、またどうしようもない罪悪感に苛まれていた。
そしてそんな俺をエリが悲しそうな瞳で、じっと見つめていた。
「シュンさん……自分を責めないで。そんな姿、見たくないよ……あたしも……お姉ちゃんも……」
そうか……そうだよな……。
ユウナは、俺の未来を心配しながら逝った。
俺は……このままじゃダメなんだよな……。
そうだよな、ユウナ……。
俺は、ひとつ大きく息を吐いてエリに向かい合った。
「俺は……真実を知りたいんだ。今の俺の気持ちが……君には分かるよね?」
エリは、ゆっくりと首を縦に振った。
「カレンは……カノンとすり替わろうとしたんじゃないのか?」
「……それは……分からない……でも……そうなの、かも……」
「カノン、は……何も話さないのか? そのことについて、何も……」
「カノンには、記憶がないのよ……そのときの記憶は消えてしまっているの……」
「もう一度訊くね。不思議なことって何?」
エリには人の気持ちを読める能力がある。
そんなエリからしたら、下心たっぷりのタローになびかないのも当たり前か……。
そのとき俺は、そんな関係ないことをフッと思っていた。
「カノンは……あの事故のあと、自分をカレンだと言ったの。それが、カノンがカレンになった本当の理由……」
「……カノンもカレンになりたかったという訳か? カノンも自分とは違うカレンに憧れていたということか?」
「そうなのかもしれない……でもね、あたし……」
エリは、また困惑した顔で俺を見つめていた。
そしてエリは、ゆっくりと口を開く。
「カノンには……カレンの記憶が入っていたの……まるでふたりがひとりになったみたいに……」
えっ?
俺はエリの言葉に、一瞬にして思考が停止してしまっていた。