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なぜカレンがカノンになっているんだ?


俺は、そのことをずーっと考えていた。



ふたりに、いったい何があったのか?


俺には、やはり分からなかった。



そして、ユウナの残した言葉……。


その意味は、いったい何だ!?



エリは、じっと俺の目を見つめている。


その瞳には、深い悩みの色が見て取れた。



「エリ……知っていることを教えてくれないか?」



エリは決心したように、ゆっくりと口を開いた。



「カレンは、ね……かわいそうな子だったの。育ててくれた親が酷くて……そして高校を卒業して、すぐ家を飛び出したの。そして、やっとの思いでカノンを見つけたの……」


「カレンは知っていた訳か……自分に双子の姉妹がいるって……」


「そう……カレンの親が言ったみたい。お前には双子のお姉さんがいるって……」


「……それからカレンは、独りで生きてきたの。カノンを探しながら……ずいぶん辛い思いをしてきたみたい……」


「……そう、か……カレンたちは、今何歳なんだ? 俺は歳も知らないんだ……」


「二十歳、だよ……お姉ちゃんが亡くなった歳と同じ……」


「……そう、か……じゃあ、2年もカレンは独りで……」


「そう……独りで苦労してきたみたい。いろんな仕事をしながら……」


「カレンは……どうしたかったんだ? カノンと会って、何がしたかったんだろう……」


「それは……分からない。でも……」


「でも……?」



エリは困惑したした顔で、俺から視線を外した。



俺には、分かっていたんだ。


エリは、本当のことを知っているって……。



「カレンは、カノンになりたかったんじゃないのか? だから……その……もしかして、カレンはカノンを……」



エリは、泣きそうな顔をして俺の目をじっと見つめる。



そして、ゆっくりと口を開いた。