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「ユウナは……分かっていたんだな……自分の死期だけじゃなくて……」
「そう……お姉ちゃんは、シュンさんのことをずっと心配していたの」
「俺の未来が……分かっていたのか……?」
エリは複雑な表情で、俺をじっと見つめる。
そして、ゆっくりと頷いた。
「全てが分かっていた訳じゃないと思うよ……でも、少しは分かっていたいたんだと思う……」
そうか……ユウナは、ちゃんと俺を愛してくれていたんだな……。
ユウナを失った俺が、どんな生き方をするのか……。
ユウナは、それを知っていたんだ。
そして、俺にとって重要なタイミングがきっと今なんだ……。
俺だって、良くは分からない。
だけど、ユウナが残した言葉……エリが、あの時に言った言葉……。
その意味が、今ぼんやりとだが分かった気がした。
俺はスーっと息を吸って、ゆっくりと吐く。
そして、エリを見つめながら言った。
「君は本当は分かっていたんだろ? カノンとカレンの秘密を……」
エリは、じっと俺を見つめ返していた。
そしてフッと笑って、こう言ったんだ。
「そう……今隣に寝ているのは……カレンじゃなくて、カノンなんだ……」
やはり、そうか……。
俺は、そんな事実に身震いがした。
何故だ!?
何故、そうなっているんだ?
……重なりは、ひとつになる……繋ぎ止める、ために……
ユウナが残した言葉の意味を考えながら、俺はゆっくりと目を閉じた。