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「あたしは、ユウナ…………だと思ってる?」
エリちゃんは、俺の耳元に柔らかい吐息を掛けながらいたずらっぽく続ける。
あの頃の、ユウナとの思い出が蘇る。
だけど……やっぱり何かが違う!
俺は体の前に回されたエリちゃんの腕をゆっくりと離して、エリちゃんに向き合いながら言ったんだ。
「君は……ユウナの妹だよね、エリちゃん……」
エリちゃんは、ふぅっと溜息を吐いてそのあとニッコリと笑った。
「覚えててくれたんだ……あたしと、お姉ちゃんのお葬式で逢ったの……」
俺は、さっきまでは気づかなかった。
でも、確かにエリちゃんとは一度逢ったことがある。
あの日……ユウナの葬儀の日……セーラー服を着ていた高校生の妹……。
それが、エリちゃんだったのか……。
俺は、エリちゃんの名前を知っていた訳ではない。
そして、あの日もたったひとつふたつ言葉を交わしただけのような気がする。
でも……。
あのときの俺は、ユウナを本当の意味で永遠に失ってしまったことで自分を失っていた。
それは、自分の罪を責める気持ちとユウナへの愛を確信したためでもあった。
だから俺は、あの頃のことを良くは覚えていない。
「ねぇ……あのとき、あたしが言った言葉を覚えてる?」
エリちゃんが今までにないような真剣な表情で、俺にそう言った。
俺は……エリちゃんと、どんな言葉を交わしたのだろう?
思いだそうとしても、思いだせない記憶……。
でも……俺は、確かにエリちゃんに気になることを聞いた気がする……。
エリちゃんは、あのとき俺に何を言ったのだろう……。
思いだせない……だけど……。
俺は必死で、あのときエリちゃんが言った言葉を思い出そうとしていた。