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エリちゃんは涙を拭いて、ゆっくりと息を整えた。



そして、俺にゆっくりと話し始めたんだ。




……カノンは、あたしの同級生だったの。


高校の時の、ね……。



カノンは、大人しい子でね……そう、今のカレンと同じような。


そんな、子だったの……。



カノンが、ね……双子だなんて、知らなかった。


3か月前の、あの日までは……。



あの日、カノンから電話が掛って来たの。


「エリ、ちょっと来てほしいんだけど!」って、本当に凄く焦ったような声で……。



急いであたし、カノンの家に行ったの。


そしたら……カノンが、ふたり居たの。



同じ顔に、同じ声……。


それは、鏡で見ているくらいにそっくりだったの。



あたし、ホントに驚いたんだ。


でもね、カノンは突然知らされた事実に混乱していたみたいなの。



それが……カレン……。


突然現れた、カレンだったの……。



生まれたばかりの時に、ふたりは離ればなれになったみたい。


そしてカノンは、その事実をずっと知らなかったの。



カレンはね、良く分からないんだけど家を飛び出して来たみたい。


何かの手がかりから、カノンの居場所を探して会いに来たんだ。



そしてカレンは、カノンの家でカノンと一緒に暮らし始めたの。



カレンは、ね……とっても明るくて元気な子だったよ。


正反対のふたりだったけど、少しずつ自然と仲良くなれたみたい。



だけど……1ヶ月前の、あの日……。