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「カレンとカノンは……どういう関係なの?」
エリちゃんは一瞬ビクッとして、俺から視線を外す。
エリちゃんのそんな態度が、俺の不安を増大させた。
「教えてくれないか? カノンは本当にカレンなのか?」
エリちゃんは落としていた視線を、ゆっくりと俺の顔に向ける。
しばらくの沈黙のあと、エリちゃんは囁くように話し始めた。
「……カレンとカノンは……双子だったの……」
「えっ? ……だった、って一体……」
カレンもカノンも本当に存在していたのか?
でも……。
俺は、悪い予感に身震いがしていた。
そして……。
ずっと、そうだった。
エリちゃんは「カレンは……」としか言っていない。
昨日、俺が一緒に居たのはカレンということか……。
じゃぁ、カノンは?
カノンは、どうしたんだ!?
そして……。
ひと月前に、俺が逢ったのは……。
あのとき、俺と愛し合ったのは……。
カレンなのか……カノンなのか……。
分からない……。
そして、このどうしようもない不安な予感は何だ?
俺は言葉を選びながら、エリちゃんに言った。
「だった、って……もしかして……カノンは……?」
エリちゃんの大きな瞳が潤んでいた。
まさか……?
「そう……カノンは……」