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電話の呼び出し音が鳴り続ける。
しかし、いつまで待っても電話には誰も出なかった。
留守番電話にもならない、か……。
俺は、諦めて電話を切る。
フゥっと息を吐いて、俺は考えを巡らせる。
カノンに電話をしたのは、初めてではない。
この電話が、2回目の電話だった。
カノンと初めてあの店で出逢った時、俺はカノンの電話番号を訊いていたのだ。
しかし、俺はカノンになかなか電話する気になれなかった。
カノンが、俺に電話を掛けてくれるかもしれない……。
そんな期待を持って、敢えて俺のほうからは電話しなかったんだ。
でも、あの日……。
カノンと出逢ってから……カノンを怒らせてしまったあの日から数日後……。
俺は、一度だけカノンに電話をした。
その時も、カノンは電話に出なかった。
しかし、その時は留守番電話になった。
「……ただいま外出してます。メッセージをお願いしま~す!」
少し電子音がかったカノンの声が聞こえて来た。
俺は、意を決してメッセージを吹き込む。
「……カノン? 俺……シュン。この前はゴメン。でもね、あの女とはただの友達なんだ。俺は、またカノンに逢いたい。電話してくれないか? 俺、ずっと待ってるから……」
なんか情けないよな、俺……。
ユウナを失ってからの俺は、誰かを本気で愛することを避けてきた。
もちろん、それなりに女とは遊んでいた。
でもそれは、ユウナの面影を忘れるためのことだったように思う。
でも……。
俺は、出逢ってしまったのかもしれない。
カノン……本気で守りたいと思える女に……。