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俺は激しく動揺していた。
そのとき俺は……ユウナのことを思い出していたからかもしれない。
とてつもない不安が、俺の心を押しつぶす。
でも……いや、そんなことはない。
カノンとユウナは、全然違う。
カノンに、ユウナと同じ力があるはずがない。
いや……しかし……。
俺は、それでもひしひしと感じる悪い予感に恐怖した。
そんな偶然があるはずがない……。
そんなことが……。
俺は部屋の小さな冷蔵庫からオロナミンCのボトルを引き抜いて、一気に飲み干す。
アァーッ!と、ひとつ大きく叫んで俺は冷静さを取り戻そうとした。
悪いことは、考えちゃダメだ……。
悪いことばかり考えると、冷静な判断が鈍る……。
俺はフゥーッと息を吐いて、カッと目を見開いた。
俺が、まずすべきことは……。
そうだ!
俺は、昨日の夜に会ったエリちゃんのことを思い出した。
えーっと、確かここに……。
あ、あった!
ジャケットのポケットには、確かにメモがあった。
それは、エリちゃんがそっと俺に渡したものだ。
ヴィトンの手帳から一枚破いて書いたものらしい。
そしてそのメモには、エリちゃんの電話番号が書いてあるはずだ……。
俺は、折りたたんであったエリちゃんのメモを開く。
えっ?
これって……!?