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「うん! 嬉しい……もう離さないで、シュン……」
そのとき、俺は思ったんだ。
この子を幸せにしたい……。
カレンが本物なのか?
カノンが本物なのか?
どちらが本物かは、どうでも良い。
俺は、この子を元に戻したい……。
そうすることが、俺の今すべきことなんだ!
俺は、その時そう信じることが出来たんだ。
その時は、確かに……。
しばらくするとカノンは、スースーと寝息を立て始めた。
俺はカノンに薄い羽毛布団を掛けてやる。
果たして、この子に何が起こったのだろう?
それは、やはり俺のせいなのだろうか……。
しかし……やはり、それだけとは思えなかった。
俺とのことが原因の一つだったとしても、それだけというのはどうしてもおかしい。
きっと、カノンに何かが起こったに違いない。
そして、俺はそれを知る必要がある……。
俺は眠っているカノンの顔を、長い時間じっと見つめ続けた。
たまらない愛しさと、漠然とした不安を感じながら……。
気がつくと、朝だった。
えっ?
カノンは?
部屋のどこを探しても、カノンの姿はなかった。
カノンは何処へ行ってしまったんだ?
カノン……カノン!