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解離性同一性障害……!?
カレン、いやカレン……どちらが本当なのかは分からないが……。
二重人格と言えばいいのか……。
とにかくカノンは、そんな症状だ……。
カノンがこうなった原因は、何だ?
解離性同一性障害は、強い心的外傷……つまり精神的ショックを受けたことで起こるはずだ。
カノンに何が起こったのか……それは、まさか……俺のせいか?
いや、そんなはずはない……。
俺は、そう願いたかった。
ただ一夜を過ごしただけで……こんな俺を信じることなんて出来るのか?
そんなはず、ないじゃないか……。
俺は、そんな風に想って貰える男なんかじゃない。
ただの、いい加減な男なのに……。
「カノンは言ってた……。カノンは、本当にシュンのことが好きだったって……」
「カレン……カノンは……本当に、そう言ったのか?」
「そう。カノンは悲しんでたよ……シュンに裏切られたって……」
「俺が……カノンを殺してしまったのか……そうなんだな……」
きっと、そうなんだ……。
俺のせいなんだ……。
カレンは、俺を抱き締めて優しく言った。
「違うよ、シュン……そうじゃないよ……それが原因じゃないの……」
「いや、俺のせいだ……俺は、また愛する女を殺してしまったんだ! それは間違いのない事実なんだ……」
「カノンは、自分のことが嫌いだったんだよ……だから自分で自分を殺したの……でもね……」
「……でも?」
「それでもカノンは、シュンにもう一度逢いたいと願っていたの。そして……」
「そして……?」
カレンは、弾けるような笑顔で俺に言った。
「また逢えたね、シュン! 逢いたかったよ! もう離さないからね!」
カノン……か……。
俺は、カノンを抱きしめながら言った。
「ごめん……俺は、もうカノンを離さない……愛してるよ……カノン……」