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えっ……?



俺は、カレンの言葉に動揺していた。


カレンは、いま何と言った?



「ねぇ、シュン……怒ってるの? カノン、シュンのこと大好きだよ!」



カノン、なのか……!?


やはり、カレンはカノンだったのか!?



「うーん……じゃぁ、抱っこして……カノンをギュってして!」


俺はカノンに求められるままに、カノンを抱き締めていた。



この柔らかさ……この感触……この匂い……。


忘れもしない、あのときのカノンのものだった。



俺は混乱しながらも、そのとき少しだけホッとしていた。



カノンは死んだわけではなかった……。


良かった……でも……。



俺はカノンの髪を優しく撫でながら、カノンの顔をじっと見つめた。


「んっ? なーに、シュン……えへっ! 大好きだよ、シュン!」



俺は、そのとき複雑な笑顔をしていたに違いない。



愛しいカノンに、また逢うことが出来た……。


俺はカノンを取り戻したんだ……。



しかし、俺は複雑な心境だった。


だって……カノンを取り戻すということは、カレンを失うということじゃないのか?



カノンを取り戻すことが出来たのだから、俺はそれで良いと割り切れるはずだった。


でも……なぜカレンは、カノンという存在を消したのだろう?



そして、カレンはカノンを殺したと言った。


それは、いったいどういう意味だったのだろうか?



俺はギュっとカノンを抱きしめながら、そんなことを考えていた。