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俺はワナワナとカラダを震わせながら、涙を零し続けた。



もしも、俺がユウナの不安に気づくことが出来ていれば……。


ユウナの苦しみを和らげることが出来たのかもしれない。



ユウナを助けることが、もしどうしても出来なかったとしたって。


最後の瞬間まで、俺が一緒に居てやれることが出来たはずだ。



いや、それは違うか……。



ユウナは、俺と一緒に居ることを拒否した。


それが、ユウナが選んだ選択だったんだ。



それが、俺のためだったとしたら……。


いや、俺のためと思ってのことだったはずだ……。



ユウナは、優しい女だからな……。



最後の瞬間が分かっていたユウナは、その瞬間を独りで迎えることを選んだ。


本当ならば、その瞬間の最後の最後ギリギリまで……誰かにそばに居てほしかったに違いない。



そう願ったはずのユウナは、俺を突き放した。


本当は、俺がそばに居てやりたかった。



ユウナが俺を突き放したのは、ユウナなりの優しさだったと思いたかった。


だけど……結果としてユウナにそういう判断をさせたのは、俺なのだ。



俺はユウナを愛していた。


本気で愛していた。


だからこそ、ユウナは……。



俺は……俺は、ユウナを殺してしまったのと同じではないのか?


俺はユウナに、何もしてやれなかった。


いや、逆にユウナに苦しみを与え続けてしまった。



そんな思いが、俺自身を苦しめ続けていた。


そして、俺はそのとき決めたんだ。



俺は、もう女を愛さないと……。



それが1987年……3年前の話だ。