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「リコちゃん、どうしてユウナが……」
「ユウナは……事故で死んだの……ビルの工事現場のそばの道で……クレーンが突然倒れて……」
俺は、あふれる涙を拭きもせずユウナのことを想った。
どうしてなんだ! ユウナ!
「ユウナは、ね……シュンくんには内緒にして欲しいって言ってたんだけど……」
リコちゃんは、そう言って泣きながら俺に真実を話した。
「ユウナは、シュンくんを裏切ってなんかいないんだよ……あの時は、なんでそんなことをするのか分からなかったけど……」
ユウナは、死が分かると言った。
それが他人のことだけではなく自分のことも、だとしたら……。
そして、それが避けられないことだと分かっていたとしたら……。
「ユウナは言ってたよ。好きだから、シュンと別れるんだって……ユウナは……やっぱり分かっていたのかもしれない……自分の未来を……」
俺は、愕然としながらリコちゃんの言葉を聞いていた。
ブルブルと体が震えて止まらなかった。
ユウナは……だから、俺を突き放したのではないのか?
ユウナは、そんな女だ。
少しでも、俺の辛さを減らそうとして……。
だから、自分から別れを切り出したのではないのか?
俺は、本当は分かっていたはずなのに……。
どうしてユウナを信じられなかったのだろう?
どうしようもない後悔が、俺を苛んでいた。
俺は、バカだった……。
女が信じられないんじゃなくて、俺が信じようとする勇気を持てなかっただけじゃないのか?
電話を切った俺は、声を上げて泣いた。
長い長い時間、涙が枯れるまで泣き続けた。
俺なんか……女を愛する資格はないんだ……。
ごめん……ユウナ……ユウナ!