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俺は息を切らせながら、ユウナの部屋のドアの前に立った。
チャイムを押してしばらくすると、ゆっくりとドアが開いた。
「ユウナ……」
久しぶりに見たユウナの顔は、冷たかった。
ユウナは、シラフのようだった。
それならば、ちゃんと話が出来る。
そして、俺の気持ちをちゃんと伝えることが出来れば……。
俺はユウナと、またやり直せるんだ……。
俺は不安で堪らない気持を、そう思うことで抑えつけていた。
そうでもしないと、ユウナに酷いことを言ってしまいそうだったから……。
「入ってください、先輩……」
「ユウナ……」
ユウナは人が変ったように冷たくそう言って、部屋の中に戻って行った。
急に先輩かよ……しかも、敬語だし……。
ユウナは、どうしてしまったのだろう?
俺は、そのとき確実に動揺していた。
しかし……今ちゃんとユウナと話し合わないと、俺たちの未来はなくなってしまう……。
俺は心を落ち着かせようと、ひとつ大きく息を吐いた。
「座ってください、先輩……」
そして、俺とユウナは小さなテーブルを挟んで久しぶりに向かい合った。
「……なぁ、ユウナ……いったい何があったんだ? 俺にはちゃんと話してほしい……」
「いえ、別に……何もないです」
「嘘だ! おかしいじゃないか……急に、お前の態度が変わるなんて……」
ユウナはグッと唇をかみしめたあと、苦しそうに俺に言ったんだ。
「先輩……あたし……もう先輩とは一緒にいられないんです……」
えっ?
ユウナのそんな言葉を聞いた瞬間、俺の背中に嫌な汗が流れた。