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俺とユウナは、死んだ2匹の子猫を小さなダンボールに入れた。


とりあえず、その箱を自転車置き場の隅に隠すように置いた。



俺たちには、やらなくてはならないことがある。


それはもちろん、まだ生きている子猫を助けることだった。



学校の近くの動物病院へ、俺とユウナはその子猫を運び込んだ。


だけど……。



その子猫も、間もなく死んでしまった。



その子猫を病院で貰ったタオルに包んで、俺たちは学校へ戻った。


死んでしまった3匹の子猫たちを埋葬するためだ。



ユウナは、ぽろぽろと涙を零しながら独り言のように呟いた。


「名前……付けてあげなきゃ……ね……」



俺たちは人目を忍んで、学校の裏庭にある大きな桜の木の下に3匹の子猫を埋めた。



「苦しかったよね……助けてあげられなくてごめんね……」


囁くようなユウナの声に、俺の心も締め付けられる。



でも、正直な気持ちを言えば……俺は、きっと冷静だった。


俺は、昔から死に対して冷めているのかもしれない。



本当に運命というものがあるとしたら、それは自分の力ではどうしようもないことだと思う。


だから、この子たちが死んでしまったのも運命なんだ……。



何の罪もない人間だって、何の理由もなく殺されてしまう。


たとえば、戦争がそうだ……余りにも理不尽なことが起こる。


それが、人生……いや、運命なのだから……。



そのときの俺は、土に埋められる子猫が入った箱を見ながらボーっとそんなことを考えていた。