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ユウナは、俺が最後に愛した女だった。



あれはもう、4年も前のことだ。


俺は偶然出逢ったユウナと恋に落ちた。



ユウナは、俺より2つ年下の大学1年生だった。


特に目立つタイプではないけれど、可愛い。


そういえば、カレンに少し似ているのかもしれない……。



ユウナは同じ大学の後輩だった。


とはいえ学部も違うし、例えばサークルとか何か接点でもない限り知り合うチャンスなんてない。



ユウナと知り合ったのは、学校の自転車置き場でだった。



あの日、困ったような顔をして自転車の籠を覗き込むユウナを俺は見つけたんだ。



……んっ?


何か小さな声で、ニャーニャーって聞こえるぞ……。



最初は、そんな好奇心でユウナのそばに俺は立った。



えっ……。



ユウナは、ポロポロと涙を流していた。



「あの……どうしたの?」


俺は、動揺しながらユウナに声を掛けた。



そのとき突然、ユウナは俺の肘をつかまえて震える声でこう言ったんだ。


「……この子も、きっと死んじゃう……分かるんだ……あたし……」



俺は、籠の中を見た。


籠の中には……3匹の子猫がいた。



いや、正確にいえば……息をしているのは、たった1匹だけだった……。


そんな事実に、俺は激しい衝撃を受けていた。



「何で……何でこんなところに、この子たちがいるんだよ……!」


そんな俺の声に引き寄せられるように、ユウナは俺に抱きついて来た。



それが、俺とユウナの出逢いだったんだ……。