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カレンは、カノン……。
つまり、多重人格と言うことなのだろうか?
同一人物ならば、俺が感じた感覚は当然正しいと言うことになる。
それとも……。
本当は双子だったのだろうか?
一卵性の双子だとしたら……俺がそう感じたのも間違いではないのかもしれないが……。
カレンとカノンが双子だったとしたら、何らかの事情があって離れ離れに育ったのかもしれない。
そして、一ヶ月前に偶然出会ってしまったのかもしれない。
しかし……。
俺はカレンの寝顔を見ながら、長い時間考えられる可能性をいろいろと考えていた。
そしてカレンは、カノンを死なせてしまったと言う。
それは、一体どういう意味なんだろうか?
俺は……昔、愛する女を死なせてしまった。
もちろん、俺が直接殺したわけではない。
しかし……結果として、俺は愛する女を死なせてしまったのだ。
俺は、ひとつ溜息を吐いて目を閉じる。
あのときから俺は、女を愛することを止めたのだ。
俺は……好きになればなるほどに女を苦しめてしまう。
そんな男なんだ……。
それでも、そんな気持ちも少しずつ時間が解決してくれた。
そして、もう一度愛せるかもしれないと思ったカノンに俺は出逢えた。
だけど、俺は結局……また愛する女を死なせてしまったのか……。
いつの間にか溢れ出た涙が、また俺の頬を伝わって流れていた。