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そして俺は、カレンを抱いた。



俺とカレンは、何かから逃れるかのように激しく愛し合う。



俺たちは、きっと何かからの恐れを共有していた。


そして、その罪悪感と共有感が俺達を刹那的に燃え上がらせたのかもしれない。



しかし。


カレンと愛し合いながら、俺は奇妙な違和感を感じていた。


いや、それは違和感と言うよりも既視感に近いような感覚だった。



俺は数時間前に、ただ単純にカレンを抱きたいと思っていた。


そしてその事で、カレンがカノンだと確かめることが出来ると思っていた。



しかし本当は、俺はカレンがカノンではないと確かめることが出来るはずだと思いたかったのだ。



そして、今。



俺は、確実に気づいてしまったのだ。


カレンとカノンは……全てが同じだった。



抱き心地や、ニオイ、そして全ての感触……。


カレンは、カノンだと俺は確信した。



全てが終わった後、俺のそばでカレンはスースーと寝息を立てていた。


その顔は、あのときのカノンと同じ顔だった。


俺は、そんなカレンの顔を見ながら思いを巡らせていた。



……どこからどこまでが本当なのだろうか?


分からない……本当に……。



……カレンは、自分はカノンではないと言う。



そうだとしたら、やはり……!