17
俺は左腕に巻いた古いROLEX EXPLOLERを見る。
針は、もう午前1時を回っていた。
さて、どうする?
俺は、眠そうなカレンを優しく見つめていた。
このままホテルに連れ込もうか?
そして、カレンを……。
しかしそんな気持ちは、いつの間にか失せていた。
それは、カレンに興味を失ったわけではない。
その逆だった。
俺はカノンを忘れたいがために、カレンを落とそうと思った。
でも……。
俺は、いま目の前にいるカレンを本気で好きになり始めていた。
だからこそ、大切にしたい。
俺は、そんな気持ちになっていたのだ。
長い間、俺は女を愛そうとすることをやめていた。
その気持ちを変えたのは、カノンだった。
カノンを愛そうとした俺は、カノンに捨てられた。
しかし、それは俺自身のせいだった。
カレンと出逢って、俺は気づいたんだ。
また同じ過ちを繰り返したくはない。
だから俺は、カレンを大切にしたい……。
そして俺は、カレンに優しくこう言った。