16
ホテル街から横道に入って、俺とカレンはバーに入った。
薄暗い店内には、大きな木のカウンターがあった。
俺たちは、横並びに座る。
「……なぁ、カレン……どうして初めて逢った俺と一緒に居たいんだ? 怖くないの?」
そう言って俺は、カレンの反応を見る。
「怖くないよ。だって……なんか信用出来るって言うか……そんな気がしたから……」
「そうなんだ……でも俺、怖いかもよ。いいの?」
「………」
カレンは、また困ったような顔をして俺をじっと見つめていた。
俺は苦笑いしながら、じっとカレンを見つめ返す。
「……俺は、さ……君に出逢えて、本当に良かったと思っているんだ……」
カレンは小首を傾げながら、恥ずかしそうに俺を見ていた。
「カレンは、きっと……俺にとって特別なんだって思えるから……」
カウンターに置いた俺の手に、カレンが自分の手を重ねた。
「わたしも、そうだよ……理由なんていらない。シュンさんが好きだよ……」
カレン……。
俺は精一杯頑張って言ったであろうカレンのそんな言葉に、確実に心が動かされていた。
それから俺は、カレンと色々な話をした。
そして俺は、確かに感じていたんだ。
カレンは、カノンじゃない。
そして俺は、カノンじゃなくてカレンを愛したい……。
そのとき俺は、そんな気持ちになっていたんだ。
そのときは、確かに……。