15
俺はカレンの耳元で優しく囁く。
「とりあえず、二人で飲みに行こうか?」
「うん。シュンさんに任せる……」
カレンは、熱い眼差しで俺を見つめていた。
俺は、カレンを促して道玄坂を上り始める。
カレンは思い切ったように、俺の腕に肘を絡めた。
道玄坂交番の前を右に曲がってしばらく歩くと、そこはホテル街だ。
カレンは、また困ったような顔をしてモジモジしていた。
コイツは、本当に可愛いな……。
俺は、カノンとは違うカレンの反応を楽しんでいた。
積極的だったカノンとは、まったく逆だ……。
ホテル街を歩きながら、俺は考えていた。
もうカノンのことは忘れたほうが良いんだ……。
クラブで偶然出逢ったカノンに、俺は心を奪われた。
何気なく声を掛けられて、ただ楽しく話をする。
そして、チャンスがあれば寝る。
ただ、そんな出逢いだと俺は思っていた。
しかし俺は、たった一回寝ただけで恋に落ちてしまった。
カノンが愛しい……。
この一ヶ月、ずっとそんな想いを俺は続けていた。
でも、もう……。
俺は、そんな気持ちを振り切るためにも今夜カレンを落とす。
そう決めていた。
カノンにそっくりなカレンを、俺の物にするために……。