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タローはエリちゃんを急かしながら、渋谷駅の方へ坂道を下って行く。
上手くやれよ、タロー!
俺だって、面倒はゴメンだ。
お前が、ちゃんとエリちゃんの心を掴めば良いだけの話だからな!
俺は、そんなことを心の中で思いながらタローとエリちゃんを見送った。
その時エリちゃんは、チラッと俺を振り返ってニッコリと笑った。
やれやれ……。
俺は、もう一度苦笑いしながらそばにいるカレンを見た。
カレンも少し酔っているのか、ポーっとした表情で二人を見送っていた。
俺の視線に気づいたカレンが、俺を見上げる。
……カノンと同じくらい……いや、カノンと同じ身長だな、カレンは……。
やはり、カレンはカノンじゃないのだろうか……?
そんなことを考えながら、俺はカレンに言った。
「で、どこに行きたいの? カレン……」
カレンは、また少し困った顔をして俺をじっと見つめ続ける。
そして、しばらくしてカレンはこう言った。
「……ホントは、どこでもいいの……シュンさんと一緒に居たかったから……二人で……」
……可愛いヤツだな。
俺はカレンの手首を優しく掴んで、そっと引き寄せる。
そして、カレンのカラダを優しく抱き締めた。
「アッ……」
そんなため息のような声を漏らしたカレンは、恥ずかしそうに顔を背けた。
そんなカレンの姿に、俺は猛烈にカレンが欲しくなっていた。
カレンを抱けば……カレンが、カノンかどうか分かるしな……。