次の日、午後8時。


俺は渋谷の道玄坂にあるワインバーにいた。



「おう! 久しぶり……どうよ、最近?」


ダチのタローが嬉しそうに俺に声を掛ける。



「あぁ、まぁボチボチだな……お前は?」


「うーん、まぁまぁかな……」


久しぶりに会った俺たちは、そんなことを言って笑い会う。


気の置けないダチは、やっぱり良いもんだ。



「うん? まだ女の子たちは来てないの?」


「あぁ、もう来ると思うけどね……」



いかにも高級そうなウッドのテーブルには、4人分のセットが置かれていた。


ということは、今日来る女の子は二人ということか……。



タローからは、今日来る子は歯科衛生士だと聞いていた。


タローが通っている歯科医院で仲良くなったらしい。



俺も仲良くなったら、歯の掃除でもして貰えるかな……。


俺は、そんな気楽な気持ちでこの場に来ていた。



もちろんカノンのことは、まだ頭の中にある。


俺は柄にもなく、まだカノンのことを想っていた。


だけど、もうさすがになぁ……。



今夜は今夜で楽しめれば、それでいいじゃないか……。


俺は、そんなことを考えながら女の子たちを待つ。



程なくして、女の子たちが店に現れた。



「エリちゃん、こっちこっち!」


タローが嬉しそうに声を上げた。