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俺はフッと笑いながら、女にタオルケットを掛けてやる。
そっとロフトから降りた俺は、そのままバスルームに向かう。
ぬるめのシャワーで、汗ばんだカラダを洗う。
バスルームから出た俺は、ボルビックの500mlペットボトルを冷蔵庫から取り出す。
ゴクゴクとミネラルウォーターを飲む。
バスタオルで濡れた髪を拭きながら、俺は部屋に戻った。
「ねぇ、のど渇いたよー」
見上げると、女がロフトから顔を覗かせてニコニコと笑っていた。
俺はペットボトルをポーンとロフトに放り投げる。
「ナイスキャッチ!」
女は自分でそんなことを言いながら、ペットボトルを器用にキャッチした。
楽しそうに笑う女の様子に、俺はついつい心惹かれていた。
「俺……君の名前聞いたっけ?」
「えーっ! 忘れちゃったの? ひどいなぁ!」
そう言って女は、プーッと頬を膨らませる。
「うーん、最近物忘れがひどくてさ……ところで、俺の名前は知ってんの?」
「……なんだっけ……聞いてない気がするなぁ……聞いたっけ?」
俺たちは顔を見合わせて、同時に笑い出す。
「俺の名前は……シュン。君は?」
「あたしは……カノンだよ!」
俺たちは、お互いにじっと見つめあったまま。
そのとき、もう一度笑い合った。