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亮二は、夏子のアパートへと向かう。
ふらつく足で、懸命に進む。
そして亮二は霞む視界の中で、夏子の姿を見た。
夏子……逢いたかった。
俺は君を……守りたいんだ!
ずっと君のそばに居て……ずっと君を……。
亮二が見た夏子の姿は、幻覚だった。
それでも亮二は、夏子の姿に安らぎを感じていた。
夏子……君と初めて逢った、あの日まで……。
俺は、ただ抜け殻のように生きて来た。
君に逢ったあの日から、俺は……間違いなく変われたんだ。
年の差なんて関係ない……素直に君を大切に想える気持ち……。
そんな気持ちを押し隠して、俺は君を見つめて来た……。
だけど、俺は気づいたんだ。
夏子、俺は……君を愛している。
君を想い続けることは、きっと不可能ではない。
俺のカラダが、どうなろうとも……。
俺は……君の幸せを願い続ける。
もしも、俺がこのまま死んでしまったとしても……。
俺は、君の幸せを祈り続ける。
夏子のアパートが遠くに見えた。
しかし、もう亮二は……。
夏子……ごめん……俺は、もう……ダメみたいだ……。