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気がつくと亮二は、真っ白い空間にただ独り立っていた。
ここは……?
俺は死んだのか……?
その時、目の前に誰かが現れた。
春子?
いや、夏子か……。
亮二の目の前に現れた夏子は、寂しそうにただ亮二を見つめていた。
「夏子……どうして、ここに?」
亮二は、そう夏子に声を掛ける。
「亮ちゃん……どこに行くの? あたしを置いて行ってしまうの?」
「違う! 俺は、お前を置いて行きたくなんかない! ……だけど、もう俺は……」
亮二は、その時どうしようもない悲しみを感じていた。
それは、今までに感じたこともないほどの強い思いで。
「亮ちゃん……わたしは、もう亮ちゃんと離れたくないの……」
夏子は、涙を流しながら亮二に訴えかけた。
「あの時、わたしは自分から亮ちゃんと離れてしまった。そして、それをずっと後悔して来たの……」
えっ?
亮二は夏子のそんな言葉に、違和感を覚えていた。
もしかして、君は……!?