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元々、俺には不思議な力なんてなかった。
不思議なことが起こり始めたのは、確かに夏子と出逢ってからのことだ。
それは、何故なんだろう?
夏子が不思議な力を持っているからか?
いや、きっとそれは違うだろう。
春子の意志が働いたからだろうか?
もちろん、何故だかは分からない。
だけど、春子の想いと俺の想いが絡み合って……。
そして、夏子を中心にして何かが動き始めたのかも知れない……。
そのとき、亮二は感じていた。
春子が俺に伝えたかった想い……それは夏子を幸せにして欲しいということだ。
それも、俺の手で……。
亮二は何度も躊躇しながら、ゆっくりとケータイのキーを押してメールを開く。
件 : 亮ちゃん、逢いたいよ……
亮ちゃん……。
逢いたいよ……大丈夫なの?
あたし、心配しています。
亮ちゃんに、きっと何かが起こっているんだって……。
亮ちゃん……あたし、怖いの。