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フラフラと病室に戻った亮二は、ケータイを握り締めたまま考えていた。
俺は、一体どうするべきなのだろう?
夏子は、素直に俺を愛してくれている。
だけど……。
こんなカラダの俺が、夏子と一緒に居ても本当に良いのだろうか?
俺は、きっと……長くは生きられない。
そんな俺を、夏子を一緒に居させて良いのだろうか?
春子を見送った夏子に俺は、また同じような思いをさせてしまうに違いない。
そう考えると、俺は夏子から離れたほうが良いのではないだろうか?
そのほうが、結果として夏子を苦しめないのではないか?
亮二は長い時間、考えていた。
そして亮二は、夏子にメールを書き始める。
件 : 夏子……
昨日は、ありがとう。
俺も、夏子と一緒に居られて楽しかったよ。
夏子……俺は、君と一緒に居られなくなった。
急に、仕事で長いこと東京を離れなければならなくなったんだ。
悪いけど、君を連れて行くことは出来ない。
ごめん、夏子……。