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回診に訪れた医師が、亮二に言った。



「佐久間さん……どなたか家族の方は近くにいらっしゃいますか?」


「いいえ……両親も亡くなっていますし、兄弟もいません。親戚も……付き合いがある人は……」


「そうですか……それでは……ご本人にお話するしかないですね……」



深刻そうな医師の表情を見るまでもなく、亮二は感じていた。



いま、俺には深刻な事態が訪れているんだと。



「落ち着いて聞いてくださいね……佐久間さんの頭痛の原因は、脳の中に原因があります」


「……と、いうと……腫瘍、ですか?」


「……そうです。しかも、かなり難しい場所にあります……」


「……そう、ですか……」



亮二は、思いのほか冷静に医師の話を聞いていた。



それは、自分自身で感じていた予感のせいかもしれなかった。



「なるべく早いうちに手術をしなければなりません。ただ……率直に申し上げると、かなり難しい手術になります……」


「……と、いうと……成功する確率は低いということなんですね?」


「……そうです。しかし、それ以外に方法はありません……」



やはり、そうか……。



亮二は、感じていた。


これが、俺の運命なのかもしれないと……。



「見てください。これが佐久間さんの頭の中のMRI画像です……大変珍しいのですが……腫瘍が、少し変わった形をしています」



えっ?


この形って……。