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おかしい……どうしたんだろう?
亮二は、今まで感じたことも無い痛みに恐怖を感じていた。
頭を抱えたまま、うずくまる。
病院に行かないと……これは普通の痛みじゃない……。
亮二はワイヤレスフォンの子機を手探りで探して、119をダイヤルする。
這うようにして玄関のドアまで行って、ドアのカギを開ける。
どうしようもない痛みを感じる亮二は、無意識のうちにうめき声を上げていた。
これは、やはり代償なのだろうか?
願いを叶えるために、俺は時空を飛び越えてしまった。
タイムリープは、俺のカラダにとてつもない負担を掛けたのか……。
頭の痛みは、どんどん酷くなって行く。
夏子に逢いたい……。
しかし、それを願うことでまた災いが訪れるとしたら……。
消え行く意識の中で、亮二はそんなことを感じていた。
気が付くと、亮二の目には真っ白い天井が見えた。
ここは……そうか、病院か……。
無意識に起き上がろうとした亮二は、頭の奥に鋭い痛みを感じた。
起き上がるのを諦めた亮二は、左手に点滴の針が刺さっているのに気づく。
ポタポタと落ちる薬液を見つめながら、亮二は冷静に考えていた。
俺は死んではいないようだ……しかし、これはやっぱり普通じゃない……。