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その夜、亮二は夢を見た。



亮二のそばには、春子がいた。



春子は、亮二に甘えながら言った。



「わたしは……ずっと亮ちゃんの幸せを願ってた……あれから、ずっと……」



亮二は、春子の髪に顔を埋めながら言う。



「俺だって、そうさ春子……俺は、ずっとお前のことを心配していたんだ。だけど……」



亮二は、ギュッと春子を抱き締める。



しかし、亮二の腕は春子のカラダを通り過ぎてしまう。



「どうなっているんだ? 春子、春子!」



亮二は、どうしようもない不安を感じながら春子の名を呼ぶ。



気が付くと、目の前から春子の姿が消えていた。



遠くの方から、春子の声が聞えてくる。



「亮ちゃん……生きて! 生きて、夏子を必ず幸せにして! それがわたしの願いだから……」


「行くな、春子! どこにも行かないでくれ!」



そう叫ぼうとした亮二は、突然酷い頭の痛みに襲われた。



まるで世界がグルグル回っているようだ……。



俺は、どうしてしまったんだ!?



亮二はハッと目を覚ます。



夢、か……。



「うっ!」



亮二は激しい頭痛を感じて、両手で頭を抱えた。