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亮二は、やっとそう考えることが出来た。
「うん……分かったよ、夏子……」
亮二は、それだけ言って優しく夏子を見つめた。
亮二の気持ちが伝わったのだろうか?
そのとき夏子は、本当に嬉しそうな笑顔を見せた。
食事を終えたふたりは、カムリで東京に向け出発した。
運転する亮二の横顔を、夏子がまたじっと見つめていた。
そんな視線を感じながら、亮二は夏子に言った。
「夏子……俺は……ずっと、夏子を大切にするよ。だから……」
「うん? だから、なーに?」
夏子は、本当に嬉しそうな声でそう言った。
「うん……だから、これからはずっと一緒に居よう……」
「うん……亮ちゃん!約束だょ!」
チラッと見た夏子の瞳には、涙が溢れていた。
夏子のそんな涙を見た亮二は、そのとき決心していた。
今度こそ俺が、夏子を幸せにする。
必ず……。
その日、亮二は夏子を東池袋に送って、そのまま祖師谷大倉の自分のマンションに戻った。
これからは、ずっと夏子と一緒だ……。
そのとき亮二は、確かにそう信じていた。