60
ずっと、春子に逢いたいと思っていた。
そして、俺は一瞬でも春子を取り戻すことが出来た……。
本当なら、それで良いはずだった。
春子と、もう一度やり直すことが出来たはずだった。
しかし、長い時間を掛けて春子を忘れようとしていた亮二は。
どうしても、その事実が信じられなかったのかもしれない。
亮二は、夏子を失うことに恐怖を感じた。
そして、亮二は願った。
もう一度、夏子に逢いたいと……。
夏子は、いま俺の腕の中にいる。
夏子の大きな瞳を見つめながら、亮二は思った。
俺は、この現実を選ぶんだ……。
亮二は、優しく夏子の唇を奪う。
夏子の耳元で、優しくささやく。
「俺は……夏子を愛してる……ずっと、いけないと思ってた。でも……」
夏子は、亮二を見つめて言った。
「そんな事なんてないよ、亮ちゃん……。あたしも亮ちゃんを愛してるから……」
「こんなに年上の俺でいいのか?……本当に?」
「そんなの関係ない! 亮ちゃんだから、いいの……」
亮二は、そのとき覚悟を決めた。
「夏子……一緒に行こう! 」