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ずっと、春子に逢いたいと思っていた。


そして、俺は一瞬でも春子を取り戻すことが出来た……。



本当なら、それで良いはずだった。


春子と、もう一度やり直すことが出来たはずだった。



しかし、長い時間を掛けて春子を忘れようとしていた亮二は。


どうしても、その事実が信じられなかったのかもしれない。



亮二は、夏子を失うことに恐怖を感じた。



そして、亮二は願った。


もう一度、夏子に逢いたいと……。



夏子は、いま俺の腕の中にいる。



夏子の大きな瞳を見つめながら、亮二は思った。



俺は、この現実を選ぶんだ……。



亮二は、優しく夏子の唇を奪う。


夏子の耳元で、優しくささやく。



「俺は……夏子を愛してる……ずっと、いけないと思ってた。でも……」



夏子は、亮二を見つめて言った。



「そんな事なんてないよ、亮ちゃん……。あたしも亮ちゃんを愛してるから……」


「こんなに年上の俺でいいのか?……本当に?」


「そんなの関係ない! 亮ちゃんだから、いいの……」



亮二は、そのとき覚悟を決めた。



「夏子……一緒に行こう! 」