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目を閉じた亮二は、ひとつゆっくりと息を吐く。
これは幻なのだろうか?
でも、確かに俺の腕は懐かしい春子のカラダを感じている。
俺の鼻は、懐かしい春子のニオイを感じている。
ゆっくりと目を開けた亮二は、確かに目の前にいる春子を確認してホッとしていた。
玄関先にある大きな鏡には、亮二と春子の姿が映っていた。
そこに映っている自分の姿を、亮二は見つめた。
その姿は、確かに19年前の自分の姿だった。
何が起こったのかは分からない。
でも、俺は春子をまた手に入れることが出来た……。
亮二は、こんな不思議な出来事を冷静に受け取っていた。
「亮ちゃん、わたし嬉しい……最近、亮ちゃん少し冷たかったし……」
うっすらと涙を浮かべて、春子がそう囁いた。
「……ごめん、春子……もう離さないから、ずっと……」
「……でもね、亮ちゃん……わたし……」
春子は、ポロポロと涙を流しながら亮二を見つめていた。
俺は、全てを受け入れる。
春子と、夏子を幸せにしたい……。
「春子……俺に話してくれないか? お前が抱えていること、全てを……」
そのとき春子は、驚いたように亮二を見つめていた。