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亮二は、愕然としていた。



いったい、何が起こっているのだろうか?



これは、夢?



亮二は頬をつねってみる。



痛い……。



夏子のアパートへ向かう道すがら、亮二は確かに思っていた。



もしもあの頃に戻れたとしたら……。


俺は絶対に春子を離さない。



あの頃に戻れないだろうか?と、確かに……。



「亮ちゃん、どうしたの? 早くお部屋に入ってよ!」



ドアから半分カラダを出した春子が、ニコニコしながら亮二を手招きする。



亮二は動揺しながらも、幸せだった。



また、春子の笑顔が見られるなんて……。



亮二は引き寄せられるように、春子のそばへと向かう。



何だって、かまわない!


いま、俺の目の前には確かに春子がいるのだから……。



部屋に入った亮二は、春子をギュッと抱き締めてゆっくりと唇を奪う。



「もう! 亮ちゃんったら!」



恥ずかしそうに頬を赤らめる春子を、亮二はもう一度強く抱き締めた。



もう絶対に離さない……そう誓いながら。