50
亮二は、愕然としていた。
いったい、何が起こっているのだろうか?
これは、夢?
亮二は頬をつねってみる。
痛い……。
夏子のアパートへ向かう道すがら、亮二は確かに思っていた。
もしもあの頃に戻れたとしたら……。
俺は絶対に春子を離さない。
あの頃に戻れないだろうか?と、確かに……。
「亮ちゃん、どうしたの? 早くお部屋に入ってよ!」
ドアから半分カラダを出した春子が、ニコニコしながら亮二を手招きする。
亮二は動揺しながらも、幸せだった。
また、春子の笑顔が見られるなんて……。
亮二は引き寄せられるように、春子のそばへと向かう。
何だって、かまわない!
いま、俺の目の前には確かに春子がいるのだから……。
部屋に入った亮二は、春子をギュッと抱き締めてゆっくりと唇を奪う。
「もう! 亮ちゃんったら!」
恥ずかしそうに頬を赤らめる春子を、亮二はもう一度強く抱き締めた。
もう絶対に離さない……そう誓いながら。