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亮二の目の前には、春子が立っていた。



いや、そんなバカな……。



亮二は、両手で目をゴシゴシこする。



「亮ちゃん、どうしたの?」



亮二の目の前に立っているのは、間違いなく春子だった。



夏子の声ではない……。



それは確かに、忘れもしない春子の声だった。



春子はニコニコしながら、ゆっくりと亮二に抱きつく。



「亮ちゃん、逢いたかった……」



これは……夢、なのか?



亮二は、動揺していた。



そんなバカなことって……。



亮二は、ゆっくりと春子のカラダを離して反射的に左腕に巻いた時計を見る。



えっ?



亮二の時計は、見覚えのあるCASIOの電波時計のダイバーではなかった。



亮二の左手に巻かれていたのは、シルバーのROLEXだった。


それは、あの頃に使っていた時計だ。



亮二は、焦ったようにアパートの外に出る。



アパートの外観は真っ白で、まだ真新しかった。